椎間板ヘルニアの手術しなければならない=「手術適応」
これまでみてきたように、ほとんどの腰椎椎間板ヘルニアは外科的な手術をしなくても快癒していきます。
椎間板ヘルニアを治すのは、人間の自然治癒力です。治療も、患者さんのなかの自然治癒力を上げることを重視しています。
しかし、腰椎椎間板ヘルニアには手術をしなければばらない症例もあります。
手術をしなければならない基準を「手術適応」といいます。医学的に見て手術を必要とする症例を「手術適応」、手術を必要としない症例を「手術適応がない」と表現します。
「手術適応」には、さらに「相対適応」と「絶対適応」の2つがあります。
簡単にいうと、状態や状況次第で手術を選択するものが「相対適応」、絶対に手術をしなければならないものが「絶対適応」です。
たとえば、椎間板ヘルニアの部位によって尿失禁や頻尿、排尿困難や便秘などの症状が見られるときは手術の「絶対適応」になります。
しかし実際は、白黒をつけるようにスパッと「手術適応」の答えがでるわけでなく、その患者さんの椎間板ヘルニアの部位や症状の程度により、ケース・バイ・ケースで「手術適応」かそうでないかを見きわめていくことになります。
また、場合によっては、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD治療)といわれる手術と保存治療の中間的な措置が適応されることもあります。
椎間板ヘルニアと手術
椎間板ヘルニアによる痛みが激しく保存療法が適応できない場合は、「最終的な手段」として手術に踏み切ります。
椎間板ヘルニアの手術は、永年の痛みに苦しんでこられた方にとっては切実なものです。椎間板ヘルニアの手術といっても、さまざまな選択肢があります。
手術は、後方、前方、後側方、前側方からおこなわれますが、神経や血管を傷つけないで開口部が小さく、出血量も少ない、手術の時間が短い手術が理想的です。
以下では、どの手術がご自身の椎間板ヘルニアに適しているのかを「考えるヒント」にしていただけたらと思います。
椎間板ヘルニアの手術には、大きくいうと、患部に切開を加えてヘルニアをとりのぞく方法と、患部に切開を加えずに針などを使って椎間板を減圧する方法の2つがあります。
患部に切開を加える手術法
患部に切開を加えてヘルニアをとりのぞく手術方法としては、以下のようなものがあります。
@ヘルニア摘出手術(ラブ法、LOVE法)
椎間板ヘルニアの手術のなかでは、もっともオーソドックスで標準的な手術です。なお、LOVEとはこの手術を発明した人の名前です。
全身麻酔をかけ、腰の中央に数cmほど切開し、神経を傷つけないように注意しながら脊髄神経を圧迫している飛びだした軟骨のかたまり(ヘルニア)を除去します。
気になる手術時間は30分〜1時間程度で、通常は1〜2日ほどベッドで寝たままで安静にすることが必要です。
術後の経過にもよりますが、だいたい3週間程で退院することができます。
A内視鏡視下髄核摘出手術(MED)
この手術法は、もっとも傷口が小さい手術です。
つまり、患者さんの術後の痛みや肉体的負担もいちばん少ない手術といえます。
基本的には上記のLOVE法とほぼ同じ方法で、全身麻酔をかけたあと、背部に1.5〜2cm切開して、ヘルニア部分を内視鏡のモニター画面を眼で確認しながら、飛びだした髄核を摘出する方法です。
手術時間は、だいたい1時間くらいで、入院期間は術後の経過によりますが、およそ1〜2週間が目安となります。
B顕微鏡視下髄核摘出手術(MLD)
全身麻酔をかけ、顕微鏡でヘルニア部分を検査しながら摘出する手術です。
顕微鏡でおこなうため、小さな皮膚の切開と神経・血管が拡大して見ることができることから、より正確で細かい手術操作が可能です。
手術時間は、40分〜1時間程度です。入院期間の目安は1〜2週間です。
C椎弓(ついきゅう)切除術
飛びだしたヘルニアに脊柱管の狭さくをともなっているケースにおこなう手術です。
肥厚した背骨の一部や靭帯をとりのぞくことで、脊髄神経の圧迫を除去する手術法で、通常は1〜2日ほどベッドで寝たままで安静にすることが必要です。
術後の経過にもよりますが、だいたい3週間ほどで退院することができます。この手術を受けたときは、数ヵ月間コルセットの使用が必要になります。
D固定術
椎間板自体をとりのぞいてしまって、そこに骨盤などから骨を移植したりする手術法です。脊椎に接した骨の関係が不安定でズレが大きい場合におこなわれます。
最近では、固定を確実にするために固定材としてチタンやステンレスを使うのが一般的になっているようです。
固定術では、ヘルニアのある椎間板は完全になくなってしまいます。患部からの痛みは完全になくなる可能性が高いのですが、上下の椎間板に負担がかかるリスクもあります。
患部を切開せず、針を刺すだけの日帰り手術法!
最近の医学の進歩は椎間板ヘルニアの治療にも福音をもたらし、ヘルニア自体をいじらずに、それを押しだしている圧力を減らすことによって、痛みをとることができることがわかってきました。
この考え方に沿って、切開をせずに痛みをとる「椎間板減圧術」が定着してきています。この「椎間板減圧術」は大きな切開手術をする必要がなく、神経を触らないため神経周辺の癒着や障害は起こしません。
さらに、「椎間板減圧術」を選択すれば、大切な椎間板自体の損傷を最小限にとどめることができるのは大きなメリットです。
手術部位周囲の癒着がなく、大切な椎間板を温存できることから、「椎間板減圧術」は椎間板ヘルニア手術の「新しいスタンダード」として期待されています。
また、手術時間も短く入院の必要が無いので日帰り手術で可能なのも大きなメリットです。
ただし、レーザー手術は保険適応外のため手術に高額な費用がかかるのがデメリットです。
@経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)
代表的な「椎間板減圧術」としては、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)が挙げられます。
単に「レーザー治療」とも呼ばれます。この経皮的レーザー椎間板減圧術は、「保存療法」と「切開手術」の中間的治療法という位置づけです。
経皮的レーザー椎間板減圧術保存療法(PLDD)は、皮膚の上から数mmの針を刺します。そして椎間板の中心にレーザーを照射することで小さな空洞を開けます。
ヘルニア自体はいじりませんが、多くのばあい、レーザーで開けた空洞は時間がたつとともに修復されていき、飛びだしていたヘルニアは退縮するか、なくなります。
治療時間もわずか10分あまり。切開手術にくらべて患者さんの肉体的負担は劇的に軽減します。
しかし、「レーザー治療」は一部のヘルニアに対してはまったく効果が見られないばあいもありますので、ご自身のヘルニアが適用か、適用でないか、主治医とご相談するようにしてください。
また、この経皮的レーザー椎間板減圧術保存療法は保険適応外のため、手術費用はおよそ20〜40万円かかります。
A経皮的髄核摘出術(PN法)
患部に局所麻酔をしてX線の透視下で背中に直径数mm程度の管をヘルニアのある椎間板に刺して造部剤を注入し、坐骨神経痛の痛みやしびれが再現するかを確認します。
そして、その管を利用し、椎間板内に器具を挿入し椎間板の内部(髄核)を摘出して内圧を低下させ神経の圧迫を軽減させます。
入院の必要はありませんが、術後は1週間位は重要な仕事などは入れずに安静にすると良いです。
保険適応で手術費用は1箇所あたり5万程度かかります。
ちなみに、ありさんは経皮的髄核摘出術(PN法)を受けたので手術の体験談をヘルニア闘病記にまとめていますので参考にして下さいね!
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